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カート

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選ぶことを仕事にしてきた理由
Helvetica 店主の判断背景

このページについて

このページは、Helveticaの商品ページに記載している
「迎える理由」「判断の結論」が、
どのような経験と基準から生まれているかを記録したものです。

価格や希少性、相場比較ではなく、
どこを見て、何と比較し、なぜ残すのか。
その判断の履歴を、店主自身の実体験から開示しています。


店主について

はじめまして。
ヴィンテージ家具とデザイン古書を扱うオンラインショップ「Helvetica」を運営している、大西健と申します。

数年前から、自らを「ヴィンテージ家具販売員」と名乗っています。
少し不格好な呼び方かもしれませんが、
“売る”よりも“選ぶ”ことを仕事にしてきたという意味で、この呼び名が最も近いと感じています。


どこで目を鍛え、判断が形成されたか

1980年代生まれ。
幼少期に日本のバブル期をかすかに体験し、東京の都市生活や文化への憧れを抱いて育ちました。

高校卒業後、新宿の文化服装学院へ進学。
その後「セツ・モードセミナー」の存在を知り、一度地元に戻って資金を貯めてから再び上京しました。

在学中、雑誌編集者や指導者との出会いに恵まれ、
ファッションの現場でパタンナーアシスタントとして働いた経験は、
形・構造・背景を見る視点を養う基礎になっています。

数年後、地元・福岡へ戻りましたが、
東京で培った住まいやインテリアへの関心は途切れることなく、
モダン家具や建築、デザイン史を調べ続ける日々が始まりました。


最初に価値を意識した瞬間

椅子という存在を強く意識したのは、
1994年の美術の授業でハンス・J・ウェグナーの《ヴァレットチェア》を知ったことがきっかけです。

当時、教師が語った
「海外で10万円で手に入れた」という話は、
価格そのものよりも、
同じ物でも置かれる文脈によって価値が変わるという事実を印象づけました。

その後、90年代後半のイームズブームを東京で体感し、
青山の家具店や神保町の古書店、美術館を巡る中で、
流行と価値が必ずしも一致しないことを実感していきました。


判断を仕事にした理由

1990年代の終わり頃から、海外のヴィンテージ家具店や
オークションハウスのウェブサイトを見始めました。
当時の回線はISDN。情報は断片的でしたが、
国内外の価格差や流通量の違いに驚かされました。

転機は2005年。
青山で開催されたジャン・プルーヴェ展で目にした
スタンダードチェアと、その価格。
「なぜこの金額になるのか」を考え始めたことが、
判断を仕事にする入口でした。

最初の輸入は、拙い英語で送った一通のメールから始まりました。
郵便局で送金方法を教わりながら購入した
ジャンフランコ・フラッティーニのネスティングテーブルは、
選び、責任を持って引き受けるという意識を明確にした最初の一品です。


実践の中で反復された判断基準

これまでの過程で、失敗も数多く経験しました。

  • 真贋を誤ったもの

  • 状態を見誤ったもの

  • 輸送や保管で問題が生じたもの

そうした経験を通じて、判断基準は次第に整理されていきました。

  • なぜこれが作られたのか

  • どの時代・文脈に属するのか

  • 量産品か、試作か、過渡期のものか

  • いま残す意味があるか

現在は、国内外のオークションハウスや資料、実物確認を通じて、
これらを複合的に判断しています。


今も変えない判断基準

いまも判断の軸は変わっていません。

  • 流行や即時的な回転率を基準にしない

  • 価格よりも、背景と構造を見る

  • 時間を経て、なお残るかどうかを考える

Helveticaで扱うものは、
「売れるかどうか」よりも「引き受けられるかどうか」で判断しています。


最後に

これらの判断基準は、すべて各商品ページに記載している
「迎える理由」「判断の結論」に反映されています。

このページは、
その背景を確認したい方のための補助資料として位置づけています。