1962年にエンツォ・マリによってデザインされた、ペーパーナイフ “AMELAND"。
一見すると単に板を捻っただけのように見えるこのプロダクトは、封書を開封するのにストレスの掛からないように設計されています。その計算された角度・シンメトリーは、どこか彫刻的な存在感があります。
「日常生活でペーパーナイフをご使用されますか?」
ペーパーナイフは生活必需品と感じない方も多くいるかもしれませんが、これほど美しいアイテムが机に置いてあったら、封書が届くたびに開封する喜びに満たされるでしょう。
サイズ: W215×D20 mm
デザイン:Enzo Mari(エンツォ・マリ)
発表年:1962年
【Enzo Mari/エンツォ・マリ】
1932年ミラノ生まれ。イタリアの世界的なデザインブランドDANESEやMAGIS、Artemideなどでプロダクトデザインを手掛けたことで知られる。哲学的とも称されるそのデザインには、使用する素材や製造過程、使われるシーンにまで深い洞察が込められている。また、芸術作品のように研ぎ澄まされた美しいデザインが、時代を超えて世界中で愛される所以である。彼が手掛けた多くのプロダクトは各国の著名な美術館で永久コレクションされ、その後のデザインに大きな影響を与えている。また、秀逸なイラストレーターとしても知られ、独自のグラフィックセンスで描かれた知育絵本などでも評価が高い。デザイナーの最大の名誉であるコンパッソ・ドーロ賞を1967年、1979年、1992年に受賞している。
【DANESE/ダネーゼ】の歴史
DANESEは、1957年にブルーノ・ダネーゼとその妻ジャクリーン・ヴォドツによって イタリア・ミラノに設立された日用品を主に扱う小さなショップです。1960年代には、「デザイン関係者はミラノを訪れるとDANESEに必ず立ち寄る」といわれるほど、イタリア・モダン・デザインにおいて重要な役割を担っていました。