あなたの人生を彩るアルバム──家具という思い出の資産
旅だけが思い出の資産じゃない。家具もまた人生を語る
「経験こそが人生を豊かにする」。そう語られることが多い時代。旅やアクティビティに投資する人が増えている。
でも、本当に心に残るものは、それだけだろうか?
家具もまた、人生を映すアルバムのような存在だ。時間をかけて選び、愛着を持って使うことで、日々の暮らしに深く溶け込んでいく。旅の記憶が鮮やかに蘇るように、そこにある家具もまた、人生のワンシーンを思い出させてくれる。
家具が人生の思い出になる理由
たとえば、リビングの片隅に置かれたチェア。
朝の光が差し込む中でコーヒーを飲んだ日。友人と夜更けまで語らった時間。読書に没頭し、気づけば夕暮れになっていた午後。
それらの記憶が、その家具に刻まれていく。
旅先での特別な体験が「非日常の思い出」ならば、家具は「日常に寄り添う思い出」と言えるかもしれない。日々の小さな積み重ねこそが、人生を形作るのだから。
私とイームズの黄色のシェルチェア
初めて手にした椅子は、イームズの黄色のシェルチェアだった。
スーパー、郵便局、ハンバーガーチェーン。学生時代にアルバイトで稼いだお金を貯めて、ようやく手に入れた1脚。当時、イームズを持つことはオシャレの象徴だった。だから「うちに来る?」と友人に言えることが、ちょっとした誇りでもあった。
その椅子と過ごした時間は、おそらく10年ほど。3回の引っ越しにも一緒に移動し、暮らしの風景に溶け込んでいた。
やがて別れの時が来る。
ヤフオクで売却した。買ったときよりも多少目減りはしたが、それでもお金になった。良いものは手放すときも価値を持つ。それがこの時代のリアルだ。
直感で選ぶ、けれど散財もした
私のもの選びは、基本的に直感だ。
とはいえ、振り返ると散財した人生でもある。洋服も、家具も、気に入ったものを次々に買った。中には、一度も袖を通さなかった服もあったし、すぐに手放してしまった家具もある。
ただ、家具に関しては、その選択が商売につながった。ヴィンテージ家具販売員として、手放しても価値のあるものを扱い、それを次の誰かへとつなぐ仕事になった。
一方で、洋服は資産にはならなかった。そのときどきの時間を楽しむためのアイテム。消費の対象だった。
私のもの選びは、ただの自己満足ではない。誰かの目に留まり、心に響くことを願いながら選んでいる。そうして選んだものが、自分だけでなく、誰かの人生にも寄り添う存在になればいいと思う。
お気に入りの家具を買うなら、妥協しない
「この家具、あのとき買っておけばよかった」──そんな話もよく聞く。
だが、それは少し違うのではないか。
本当に欲しいものなら、迷わず手に入れるべきだ。多少高価であっても、それがその後の人生を豊かにしてくれるのなら、選ばない理由はない。妥協した買い物は、結局長くは続かない。
たとえば、もし宝くじが当たって、一気に理想の部屋を作るとしたら?
インテリアコーディネーターに依頼し、すべての家具を完璧に揃えたとしても、そこに「自分らしさ」はあるだろうか。おそらく、それはモデルルームのような空間。完璧すぎて、どこか味気ない。
本当に愛着のある空間とは、時間をかけて、ひとつひとつ吟味しながら作り上げていくものだ。
買うことより、使うこと。
時代とともに、家具の価値は変わる。ヴィンテージか、新品か。それは重要ではない。
大切なのは、「自分の暮らしに合うものを選び、大切に使うこと」。
家具は単なるインテリアではなく、日々を共にする存在だ。だからこそ、メンテナンスが必須でなくても、ホコリを払う、時々磨く、空間を整える。そんな些細な手間を惜しまないことが、豊かな暮らしにつながる。
そして、仮にお金に困ったとしても、今の時代には選択肢がある。買取業者はもちろん、ヤフオクやメルカリなどの二次流通のプラットフォームを活用すれば、価値ある家具を次の誰かへと引き継ぐことができる。良いものは、手放すときにも次の価値を生み出す。
まとめ:あなたの人生に寄り添う、時間と記憶の資産
旅も、家具も、どちらも人生を豊かにするための「思い出の資産」。
旅の記憶が心に刻まれるように、家具もまた、あなたの人生のページを静かに彩る。大切なのは、それが「自分にとって心地よい空間」を作る要素であるかどうか。
ヴィンテージ、新品、どちらでもいい。
大切なのは、じっくりと選び、大切に扱うこと。
時間をかけて、あなたの物語を紡いでいきませんか?
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