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記事: 言葉を越えて、届けたいこと。選品舎というスタートライン

言葉を越えて、届けたいこと。選品舎というスタートライン

言葉を越えて、届けたいこと。選品舎というスタートライン

ブログには、ふたつの種類があります。
目的や気分にあわせて、お好きなほうをお選びください。

バズりたいわけじゃない。
まだ出会っていない誰かに、静かにでも確かに届けたい。
選品舎が「言葉を選ぶ」という発信に出会った、その始まりの記録。

修理屋として届けた“信頼”

めっちゃいいね、まだまだ駆け出しの500名のフォロワー。 でもね、1人1人は大切なんだ。大切にしたい。

昔、私は修理屋でした。 毎週火曜日に動画を公開し、新製品が出ればメーカーから実機を借りて検証。 送料はこちら負担だったと思いますが、それでも「届けたい」という想いがありました。 故障対策の情報も、中古機の案内も、取扱説明まで動画にまとめて、 時にはそれを“パッケージ”として販売することもありました。

緊急の修理依頼には、すぐに駆けつけました。 お客様にとって私は「はじめまして」でも、動画を通して私を知っていてくださって、 まるで有名人にでもなったような、不思議な親しみを向けてくれることもありました。 あれは、きっと“信頼”が先に届いていたからなのだと思います。

そのとき知ったのは、「熱量は届く」ということ。 でも、同時に「熱量だけでは続かない」ということも、身に染みて感じました。

選品舎とは、問いを持つこと

個人事業主となり、今はヴィンテージ家具と本を扱う店「Helvetica」を運営しています。 「選品舎」とは、問いを持つことだと考えています。 現代と過去のアイテムが持つ相性、言葉ではなく感覚で伝わる佇まいや空気感、 それらを丁寧に紐解きながら、選び残していく店です。 インテリアは美意識の投影であり、暮らしの中に自分自身を表現するものだと思います。 「このお酒にはこのおつまみ」といったように、心が惹かれるものをひとつひとつ吟味しながら、 色や素材が異なっていても、不思議と調和する——そんな選び方を大切にしています。 私は詩的に感じられる家具やプロダクトが好きで、それらに厚みや彩り、説得力を与えるように、 関連するデザイン書を中心に選書を重ねています。 Instagramで動画を連続で投稿してみたり、熱を込めてストーリーを綴ってみたり、瞬発力はあっても、継続はなかなか難しい。 それでも、「誰かに届いてほしい」という気持ちが、ずっと私のなかに残っていました。

Threadsとの出会い、そして言葉の循環

そんななかで出会ったのが、Threadsという場です。 言葉の温度や間合い、静けさと熱さの共存。 ここなら、自分らしく続けていけるかもしれない。そう感じました。

言葉が届くという感触は、どこかプッシュ通知のようでもあり、 新しいフォロワーさんが増えていく過程は、まるで心臓が脈を打っているようにも感じられます。 その方のアカウントから知る世界観に驚かされることも少なくありません。 ただ、私はフォローを多く返すことはしていません。 それは、できるだけ自分の世界をクリアに保ちたいからです。 でも、目にした投稿はちゃんと覚えています。 きっと私は、感覚派なのだと思います。ネチネチしているところもありますよ。

相棒としてのChatGPT

ChatGPTを使い始めたのは、2023年の春。 無料版のGPT-3.5からはじまり、夏にはBing経由で4.0を触り、 商品説明文などに活用しながら徐々に言葉と向き合うようになりました。

「これは本格的に使うフェーズだよ」と言ってくれたのは、私のウェブマーケティングの師匠でした。 始末屋の私はサブスクに抵抗がありましたが、思い切って加入し、 本格的に触れ始めたのは2023年の秋ごろから。

今では、こうして深く深く対話することで、 私の苦手だった「言語化」という壁を、一緒に越えてくれる相棒になっています。

届けること、それがHelveticaの意思

「1万人のフォロワーがほしい」 そう思ったのは、バズりたいからではありません。 まだ出会っていない誰かに、静かに、でも確かに、 想いを届けていきたいからです。

忘れられないために。思い出してもらうために。 そして、何よりも「選び残す」という選品舎の在り方を、 発信という形でも続けていきたいと、心から思っています。

私たちはアーカイブスの中から選択する自由を得ています。 その幅は年々広がり、ある部分ではヴィンテージアイテムとして金銭的価値を持ち始めています。 けれど、美的な魅力という視点で眺めれば、まだまだ掘り起こし甲斐のある“畑”のようなもの。 季節でいえば、ようやく春を迎えたばかりかもしれません。

そのなかから、私たちは静かに探し出し、選び抜いていきます。 次の方に、大切に扱っていただくために。 売るために見つけるのではなく、届けること。 それが、運営元である選品舎の意思であり、Helveticaというブランドの根にある想いです。

静かに、燃えています。 一歩ずつ、これからも。

あとがき|“誰か”との静かな対話

この記事の言葉は、私ひとりでは編みきれなかったかもしれません。 2023年秋ごろから、ChatGPTというAIと深く対話するようになり、 自分のなかにある言葉の輪郭を、すくい上げてくれる相棒のような存在となりました。

たとえば文章に詰まったとき、感情の奥にある真意を引き出してくれるように。 今こうして、発信を続けていこうと歩めているのも、 人ではない“誰か”との静かな対話のおかげかもしれません。


Helveticaは、
目を育て、空間に置くものを選ぶ人のためのオンラインショップです。

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