2022年下半期に向けてヴィンテージ家具販売員は再出発します。
幾度となく、リ・スタートをしてきた販売員の活動は、すぐに休止。いっとき停止を繰り返しながら10年が経過しました。
変わらないのは、そのときに新鮮だと感じるプロダクト選びとお客様お一人お一人に対する気持ちです。
10年前はヤフオクにも度々出品されていた、クラマタやコムデギャルソンの家具は、ここ数年で更に高価なアイテムへと変化し、市場ではパタリと見かけなくなりました。
川久保玲さんがデザインした椅子が数万円で買えていた時分は、安いとは知っていたものの、優先順位に加え、保管場所の兼ね合いから見過ごしていました。
やはりモノもひとも縁なんでしょうね。私にはそう思えてなりません。
実際の空間で使用するとなると、収まり良くコーディネートできるか否か、かなり難易度が高い商材だと考えますが、いまは資産という別の意味合いの方が強く、熱狂的なファンとともにマネーゲームとして、それらは海を超えて探されるものへと変わっています。
「新鮮に感じるプロダクトはありますか?」
勿論あります。誰も気に留めていない存在のアイテムは実は多くあります。
私自身は、在庫商売は好みませんし、今後も日本国内だけでビジネスが回るとも考えていません。
そのため、真剣に商材を集めることは倉庫問題も抱えている身としては控えています。
私の影響を及ぼせる範囲はヴィンテージ家具の中でも極小ですから。
しかしながら、感度の高い顧客も多いため、やっぱり提案したいなぁ。見せ方に緩急が必要なのだろうか。
思慮は深くなっていきます。
そう、家具を資産形成の一部として捉えることは決して悪いことではなく、むしろ賛成派です。
しかし暮らしの中で停滞させるのは実に勿体ない。惜しいです。
気分を変える意味合いにおいても、新しいと感じる住居にするためにも、定期的にアイテムを入れ替えられたら幸せだと思いませんか。
すぐに住まいを変えることは難しいですが、インテリアのひと区画だけを変えてみることは、決して難しい話ではないと考えからです。
世界が目まぐるしく変化している時代において、居住環境を整えることは、心をリセットするためにも有効な手段ではないでしょうか。
私も売らずに保管してきた家具が増えました。増える一方と言った方が正しいかもしれません。
といいつも手放すタイミングは、急がず慌てずに戦略をもってすすめたい。大人の嗜みですから。
新鮮な気持ちにさせてくれるのは、まずはモノを大切にするという行為からゆっくりとはじまるもの。
ある彫刻家の作品を手にしたときから、お金の回りがよくなった。という話も最近耳にしました。
その逆もあるのでしょうね。
10年後も大切にしていただけるお品物を丁寧にご紹介させていただきたいです。
モノが行き先を選ぶ。そう信じて続けてみようと思います。