空白のできた書棚をみて考えに耽る。本の処分はされていますか?
委託を受けて、マンション内の家具や絵画、書籍を約2年の時間を費やして売ってきました。
点数で言うと300点近くは売買してきたと思います。
家具や絵画は運良く相場並みかそれ以上で売却でき、依頼主はピンと来ていないけど、その成果には自分でも驚いています。
学閥のトップから超高級ホテル、インフルエンサーと呼ばれる方など名のある方へも譲ってきましたが、振り返ってみると、もの自身が行き先を選んだようにも感じています。
数年前には2,000冊程度置かれていた書籍やカタログは、焼却したり、古書店へ持ち込んだり、インターネットを通じて売買した結果、いまでは書棚は呼吸ができるほどのスペースがあります。
ル・コルビジェ関連の書籍も見事だったし、安藤忠雄関連の書籍、桂離宮に工芸の本も多く、カタログに至っては、廃業された企業のものも多く残っていたものの、整理の途中で嫌気が差して焼却場へ持って行きました。
軽トラックで幾度となく往復しました。
あの書籍は手放さなければよかった。なんて気持ちは今の私にはありませんが、これから先のことは分かりません。
お気に入りの画像はネットで探せばよいかな。そんな程度に考えている身としては、ことの重大さを知るのはずっと先の話になりそうです。
これからもきっと開かないだろう書籍については、もうしばらく置いておいて、処分するつもり。
そうそう、大手古書店に古書の買取について尋ねたところ、雑誌の買取の場合は最新号を含めて3ヶ月前まで。だそう。10年前は福岡の古書店でも良書と出会う機会もあったものの、いまではせどりができる機会もめっきりと減ったものです。
「みなさまは、希少本などの処分はどのようにされていますか?」
身近にフリマアプリやネットオークションを活用される友人・知人がいれば相談することも、きっと可能なんだと思いますが、住まいの片付けや財産分与の問題等で時間的な制約が生じた場合は廃品回収業へ委託されるか、町のゴミへ出すことになるのがオチなんでしょう。
いまでは大手古書店さんの買取もアルバイトさんがバーコードを読み込んで終わりの状況ですから、感覚的な物差し、真贋を見極める眼が失われてしまっている印象さえ受けます。
せどり屋さんもバーコードで読み込んでいく時代ですから。
私も引っ越しを機に大切に手元に残しておいたクラマタ関連の書籍を数冊手放しました。
縛られているなぁと感じたことも理由のひとつなのかもしれません。
写真家のアートブックなど見てみたい本も数多くあるものの、福岡の図書館では拝見することはできないですし、身銭を切って求めなければならないんだと考えると、どうにも働かなければと現実世界に引き戻されます。