「投資」と聞くと、なにを思い思い浮かべますか。ヴィンテージ家具という新しいカタチの資産

「投資」と聞くと、なにを思い思い浮かべますか。

株式や国債、社債、外貨、金など銀行や証券会社などが扱うものを、真っ先に挙げる人が多いと思いますが、現代ではさまざまなものが投資対象になっています。

たとえば、不動産や原油、農産物もそうですし、トレーディングカードやワイン、現代アートもそうです。

また、美術品や骨董品のように趣味と実益を兼ねたような投資があれば、ヴィンテージ家具のような嗜好品も投資の対象となっています。

ヴィンテージ家具の場合は、投資というよりも、資産形成と側面として捉えられている方も一定数いらっしゃいます。

私(ヴィンテージ家具販売員)は、これからのモダン家具は資産ポートフォリオに組まれて然るべき存在だと考えています。

こうしたものへの投資は専門知識が必要なため、なかなか簡単に手を出せるものではありませんが、奥深さがあり、知識や見る目を養っていけるのが魅力です。

まずは、投資対象か否かについて推考します。

ヴィンテージ家具(美術骨董品)が、投資対象として有価証券等と異なる点を考えると、一点一点が異なっていて一般的・客観的価格の標準がないことが挙げれれますが、世界中でインターネットが普及した現在では、商品それぞれの相場は概ね見定めることは可能です。「子(利息、配当、地代、賃貸料等)を生まない点」故に、価格の値上がり益が投資収益になります。

ではどのようなヴィンテージ家具(美術骨董品)が値上がりしやすいか、ということが議論の中心になってきます。

まずは、「お金持ちが欲しがるもの」という基準。物事を割り切った視点が必要です。

相場は必ずしも高くはありません。価値と価格(相場)は、いつも一致はしないものです。投資として考えた場合、一般的なビジネスとして考える限り、基本中の基本ではないでしょうか。

そして、「一般社会からの認知度」が高いものほど、「広く強い需要」が生まれます。その需要も持続すると考えています。

「必需性のあるもの」。ヴィンテージ家具は、生活必需品ではありません。必需性を帯びたものに需要があります。

たとえば、茶道具。

由緒ある茶道具は昔から高値で取引され続けてきました。

茶道具の中でも【名物】といわれる逸品は、特に価値が高く重要な文化財となっている品々も多く存在します。

アイテムの種類を問わずデザインプロダクトであるかどうかも重要になってきます。有名なデザイナーによってデザインされたプロダクトは、家具としても非常に高い価値があります。

この様にヴィンテージ家具のデザイナーが著名な場合、かつその事を証明する事が出来ればそのアイテムには箔がつき一気に何倍も価値が上がることもあります。

そして、何よりも興味深いのは、ヴィンテージ家具(美術骨董品)には「近代性のあるもの」という斬新な視点が加わります。

「永久に近代性の要素を含んでいること。いつまでも変わらないこと。」

最終的に、ヴィンテージ家具(美術骨董品)の需要が、社会の一般的な需要として、しっかりと作り上げられているか否かです。

投資対象としての基本要件は、その投資対象「需要の広さ、強さ、持続性」。

色々な世界で趣味的な収集が行われますが、美術的な要素を含んだ分野では、明らかに違っています。

現代美術も古美術も、社会的な需要があり、これから先の将来においても、その価値は続くであろうと期待されているからこそ、投資対象として機能するのもだと考えます。

次回「使う家具と投資の家具、どこが違う」