記事: 理由が消えたあとに、残るもの。
理由が消えたあとに、残るもの。
買うための理由も、
売るための理由も、
もう、いらなかった。
ただ手にしたとき、
この椅子が、
この花器が、
まだ誰にも使われていない言葉で、
わたしに話しかけてきた。
価値ではなく、感触で。
説明ではなく、沈黙で。
そんなふうにして、
理由のないまま、
「これは、わたしのものだ」と思えたものが、
暮らしにひとつ、またひとつと、残っていく。
この詩は、Helveticaの詩シリーズ「目に見えない庭」の一篇です。
記事: 理由が消えたあとに、残るもの。
買うための理由も、
売るための理由も、
もう、いらなかった。
ただ手にしたとき、
この椅子が、
この花器が、
まだ誰にも使われていない言葉で、
わたしに話しかけてきた。
価値ではなく、感触で。
説明ではなく、沈黙で。
そんなふうにして、
理由のないまま、
「これは、わたしのものだ」と思えたものが、
暮らしにひとつ、またひとつと、残っていく。