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カートが空です

記事: 名前のない美しさを探しに行く:都庁の職員食堂と、都市の静かな眺め

名前のない美しさを探しに行く:都庁の職員食堂と、都市の静かな眺め

名前のない美しさを探しに行く:都庁の職員食堂と、都市の静かな眺め

ブログには、ふたつの種類があります。
目的や気分にあわせて、お好きなほうをお選びください。

高層ビルの上階、職員のための食堂にて。
騒がしさはなく、整った空気が静かに流れていた。

ここで過ごす人々のために、どんな椅子が選ばれ、どんな景色が差し出されているのか。
公共の空間にも、「誰かの選んだもの」が確かに存在していた。


■ 無名の空間に宿るもの

都庁の職員食堂には、意外にも整った空気がある。
家具はおしゃれでも高級でもないが、秩序と配慮が感じられる。

窓からは東京の夜景が広がり、時間帯によってはカフェ営業やアルコール提供もある。
新宿近辺で、静かに夜景を楽しみたい人には、ちょっとした“穴場”ともいえる空間だ。


■ 美意識は、公共にも流れているか?

※画像はイメージです

たとえば、照明の配置、テーブルの距離感、椅子の背の角度。
それはほんの小さな設計の積み重ねだけれど、
“快適であること”が意図されている場所には、確かに「選品の思想」が宿っている。

個人の空間で使う家具と違い、公共空間の椅子には、より深い意味が必要だ。
名前も残らず、長く使われ、多くの身体を受け止めていくものだから。


■ 都市を眺めるということ

東京で暮らしていた頃、たけしさんは無料で登れる展望室を、片っ端から巡ったという。

船堀タワー、六本木ヒルズの美術館、そしてツタヤの視聴スペース。
どこから見ても景色は似ているのに、その場所ごとに“空気の温度”が違っていた。

美術館から眺める東京、高級車が行き交う六本木の夜。
地方出身者として、あの景色が「別世界」のようで、でもどこか親しみも感じていた。


■ 整った空気は、選ばれた空間

オシャレじゃなくても、ラグジュアリーじゃなくても、
整っている空間には、美意識がある。

それを言語化するのが、たけしさんの文章であり、選品舎の仕事であり、Helveticaの発信だ。


名前のない空間に、心が整うことがある。
美しさは、静かに共有されていく。



高層ビルの上階、職員のための食堂にて。
騒がしさはなく、整った空気が静かに流れていた。


Helveticaは、
目を育て、空間に置くものを選ぶ人のためのオンラインショップです。

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