文化服装学院に入学して、アントチェアを歩いて持帰った話

黄色のシェルチェアを買った次に、中古のアントチェアを買いました。たぶんヴィンテージだったと思います。日に焼けた、美しいチーク材でした。今から20年も前の話です。その椅子も青山にあった、オーパーツショップで買いました。たしか数脚同じ椅子があって、どれも裏蓋のカバーがありませんでした。当時は、裏カバーの存在など知らず、テッキリ、オリジナルそのものと思い込み、購入したものです。カバーがないことに気づいたのも、それから随分と月日が過ぎてからでしたから。笑

この椅子を購入する前に、ハーマンミラー社製の白天板のコントラクトテーブルも購入していたので、イームズとヤコブセンの組合せで、学生時分を過ごしたものです。思い出も多くあり、語り尽くせはしませんが、高校時代の後半に、バイトに励み溜めこんだ、「インテリア予算 」から購入したお気に入りの3点でした。



このアントチェアにはもう1つ話があって、当時住んでいた市ヶ谷の住まいまで、抱えて帰った思い出があります。途中バスにでも揺られて持ち帰ればいいかなぁ。と安易に考えていたので、堂々と持ち帰ります!宣言をしたことが災いし、バス停が見つからず、気づけば3時間を掛けて自宅まで運びました。いやぁ、絶対にあのような行動は今後はしないと思います。苦笑


あの椅子は雰囲気よかったんですよ。一寸腰を掛ける感覚は、イームズとは異なり、大好きでした。その椅子も10年くらい愛用し、それもまたヤフオクで手放しました。
購入した価格も安かったのですが、手放したときには、半分位はお金が戻って来たと思います。

色々と思い出が詰まった椅子でしたが、食卓を囲むなら、今でもアントチェアがいいなぁと考えています。お金に余裕があれば、ジオポンティの籐張りのスーパーレジェーラもありだなぁ。後々のメンテナンスのことも考えると、高いだろうなぁ。

いつだって、生活空間は椅子主体で考える癖があり、次はテーブルはどれにしようかと頭を悩ませてしまいます。

それから、カトラリー探しへとインテリアの思考は止まらないので、想像力は楽しいものです。
アントチェアの良いところは、飽きの来ないカタチと、何といっても、その軽さ。椅子は座る度に、引いたり、押したりと動かすことも多いので、その軽さは重要だと考えています。

ご年配の方は、シートの高さも大切にするといいでしょう。ちょっとした気遣いは大切。それに、数を持っていれば、重ねることも出来ますので、日本の住環境との相性もバッチリだと思います。
カラフルな色はさて置き、あの組合せは、今考えても、悪くはなかったと思います。ベストマッチではなかったけれど、ベターでした。予算が許せば、イームズを買ってたんだろうけどなぁ。

学生を過ぎたあとも愛用していて、それから、青山にあった"ミッドセンチュリーモダン"のセールで購入したフィリップ・スタルクがデザインした白色の椅子や、広尾の"ギャラリー1950"ではアーム付きのイームズのシェルチェアのグレーも買い足していきました。ここまでくると、結構拗らせてる買い方だと思います。

スタルクの椅子は、部屋に合わないと感じ、早々に人に差し上げ。お金ないのに差し上げたんですよね、あぁため息でます。

ともあれ、照明も食器も、できる範囲で、大切に選びながら愛用していたものです。決して、たくさん知識があった訳でもありませんでしたが、休日は、インテリアショップをよく梯子をしていました。

古本屋の梯子、インテリアショップの梯子、美術館の梯子、飽きずに繰り返していたものです。

今でも働きアリとは言えませんが、大切に選んだり、買ったり、贈り物にしたり、モノを通じて、人と繋がっていく瞬間は、ドキドキ、そしてワクワクする感覚があります。

追記
安さに任せて、ネットでバックを購入しましたが、思い描いた色と異なっていました、ネットで家具の取引は出来ても衣類に関しては、常に失敗している気がします。あれ!?「追記の下り」は無駄だったようにも思いますが、記載しました。

春までもう少しですね、新生活に向けて、いつでも明日は新しいと信じて、今年はブログを更新していきます。