





朝鮮王朝の美|浅葉克己装丁 韓国美術の美意識をたどる展覧会図録 2001-2002
モダンデザインが好きな人ほど、朝鮮王朝の美に惹かれることがあります。
それは意外なことではありません。
余計な装飾を削ぎ落とし、必要なものだけを残す。
静かで、強く、空間を支配しない。
朝鮮王朝の工芸や家具には、現代のミニマリズムにも通じる感覚があります。
本書『朝鮮王朝の美』は、2001年から2002年にかけて開催された巡回展の公式図録。
陶磁器、木工、金工、服飾、書画など、朝鮮王朝五百年の文化を幅広く収録しています。
構成は「舎廊房(サランバン)」と「内房(アンバン)」という二つの空間を軸に展開されます。
男性の知的空間。
女性の日常空間。
それぞれに置かれた家具や道具、衣服や工芸品から、当時の暮らしと美意識が立ち上がってきます。
派手ではありません。
けれど、長く眺めるほどに深く染み込んでくる美しさがあります。
視点
- モダニズムと通底する朝鮮王朝の簡潔な造形感覚
- 家具・工芸・服飾を通して見る東アジアの美意識
- 「舎廊房」と「内房」という生活空間から読み解く文化史
- 李朝家具や民藝運動へつながる造形的背景
- 浅葉克己デザイン室による優れたブックデザイン
書誌情報
・タイトル:朝鮮王朝の美
・英題:Masterpieces of Korean Art from the Joseon Dynasty 2001-2002
・編集:北海道立近代美術館 ほか
・装丁:浅葉克己デザイン室
・出版社:北海道新聞社
・刊行年:2001年
・装丁:ソフトカバー
・サイズ:300 × 220mm
・ページ数:272ページ
状態
表紙にわずかなスレ、軽微な汚れがあります。
本文ページの状態は良好です。
全体として中古品として標準から良好なコンディションです。
迎える理由
選定理由:
朝鮮王朝の工芸・家具・服飾・書画を横断的に収録し、美術資料としての価値が高いため。
比較した視点:
一般的な韓国陶磁や李朝家具の専門書と比較し、本書は生活文化全体を俯瞰できる構成になっている点を評価しました。
判断の結論:
韓国美術の入門書としても、家具や工芸の資料としても長く参照できる優れた図録です。
個人的には、モダン家具という文脈に出会っていなければ、朝鮮王朝の家具を少しだけ置いて暮らしていたと思います。
良い棚を一つ。
良い函を一つ。
良い器を数点。
それだけで空間は成立する。
朝鮮王朝の工芸には、そう思わせる静かな強さがあります。
モダンデザインを好きになった人ほど、その源流のひとつとして楽しめる一冊かもしれません。
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