
鍋敷きがオブジェになる瞬間──1995年、Alessiが残したユーモア
鍋敷きが“作品”になる理由
道具として成立しながら、視線を引き寄せる
鍋敷き(トリベット)は本来、熱からテーブルを守るための道具です。
しかし、Alessiが1995年に発表したこの一枚は、用途の先に「置き姿」があります。
使っている時間より、置かれている時間のほうが長い道具だからこそ、見え方が価値になる。

90年代Alessiの空気とステファノ・ジョヴァンノーニ
ユーモアを“生活の表面”に配置するデザイン
ステファノ・ジョヴァンノーニの仕事は、実用品を「笑みを呼ぶオブジェ」に変えます。
90年代のAlessiらしい、ポップアートと機能美が交差するテンションがアルミニウムに封じ込められている。
この手のプロダクトは、用途だけで評価されません。
「語れるか」「置いた瞬間に空気が変わるか」——その一点で残ります。
暮らしに添える二つの顔
置く:軽いユーモア/飾る:壁面のアクセント
鍋を置くときは、テーブルの上に軽いユーモアを置く。
棚に立て掛ければ、グラフィックのように空間を締める。
「使える」と「飾れる」が同居していることが、このピースの強みです。

いま迎える理由
コレクターズアイテムであり、日用品でもある
当時のAlessiは、いまもコレクターズアイテムとして評価されています。
ただしこのトリベットが強いのは、鑑賞物に寄りすぎず「日常の中で使える」こと。
生活に入れても成立し、置いても成立する。その稀少な重なりが、選ぶ理由になります。
購入前の判断ポイント
- “使う道具”として見るか、“飾る面”として見るか(両方OK)
- キッチンに置くのか、棚に立てるのか(置き場所の想像ができるか)
- 90年代Alessiの文脈が好きか(プロダクトの温度感)
この記事について
本記事は、選品舎/Helvetica を運営する大西健が執筆しています。
ヴィンテージ家具・古書の選品、販売、記録を通じて、
「残るもの/残らないもの」の判断基準を実務の中で整理しています。










