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19世紀ヨーロッパの染織|亀井茲明コレクション|デザイン・織物・壁紙

花、葉、蔓草。

同じ自然のモチーフが、国や時代、技法によってまったく異なる文様へと変化していく。

本書は、亀井茲明コレクションをもとに19世紀ヨーロッパの染織をまとめた資料集です。

収録されているのは、染織を中心に壁紙などを含む318点。270点の図版によって、19世紀ヨーロッパに広がった装飾の世界を紹介しています。

産業革命によってものづくりの方法が大きく変わる一方、過去の様式や異国の装飾を取り込みながら、次々と新しいデザインが生まれた19世紀。

ページをめくると、植物文様、幾何学的な構成、細密な花柄などが、色彩や反復のリズムを変えながら現れます。

図案を単体で見るのではなく、装飾がどのように生活の中へ入り、布や壁面を覆っていったのか。

19世紀のデザインを「様式」ではなく、豊かなパターンの集積として見ることのできる一冊です。


特徴

本書の大きな魅力は、図版資料としての密度です。

表紙を外すと現れる鮮やかな装丁から、本文に収録された数々の染織まで、本そのものがパターンの見本帳のような構成になっています。

花や植物を題材にしながらも、その表現は写実的なものから高度に抽象化されたものまでさまざま。

色の組み合わせ、モチーフの反復、余白の取り方、帯状の構成などを追っていくと、現代のテキスタイルやグラフィックデザインにもつながる造形の蓄積を見ることができます。

テキスタイルデザインだけでなく、インテリア、ファッション、グラフィック、装丁、パターンデザインなど、装飾を扱う仕事の資料としても興味深い内容です。


この本が残した視点

  • 植物は、どこまで抽象化されても「植物」であり続けるのか
  • 同じ花や葉のモチーフが、時代や地域によってどう変化するのか
  • 色と反復だけで、平面にどれほど豊かなリズムを生み出せるのか
  • 装飾は実用品に加えられるものなのか、それとも暮らしそのものを形づくるものなのか
  • 19世紀の図案は、現代のテキスタイルやグラフィックデザインに何を残したのか

装飾という言葉には、ときに「余分なもの」という響きがあります。

けれど、この本に並ぶ染織を見ていると、装飾は単に物を飾るためだけに存在していたのではないことがわかります。

布を覆う小さな花も、繰り返される一本の線も、生活する空間の景色をつくるためのデザインでした。


書誌情報

・タイトル:19世紀ヨーロッパの染織 亀井茲明コレクション
・監修:北村哲朗
・出版社:美術出版社
・刊行年:1987年(昭和62年)
・ページ数:263頁
・判型:A4判
・収録:318点/図版270点
・装丁:ハードカバー、函・帯付


状態

経年によるわずかな変化はありますが、全体として良好な状態です。

函には軽いスレ、縁・角にわずかな傷みがあります。また、函に1か所、小さな点状の表面剥がれがあります。

帯には経年による薄いヤケ、わずかなスレ・汚れがあります。

本体表紙および背は比較的きれいな状態を保っており、鮮やかな装丁もしっかりと残っています。

本文にも大きな傷みは見られず、図版を鑑賞するうえで支障のない状態です。

状態については掲載写真をあわせてご確認ください。


迎える理由

選定理由:
19世紀ヨーロッパの染織を、豊富なカラー図版によってまとまって見ることのできる資料であること。さらに、内容だけでなく装丁そのものにも染織の魅力が表れている一冊です。

比較した視点:
個々の様式や作家を解説するデザイン史ではなく、実際の染織や図案を大量に見ることができる資料性を重視しました。テキスタイルに限らず、家具、インテリア、ファッション、グラフィックなどへ横断して参照できる点も魅力です。

判断の結論:
デザインを考えるとき、新しいものだけを見る必要はありません。

19世紀の人々が選んだ花の形。
隣り合わせた色。
繰り返す線の間隔。

その一つひとつに、現在まで続くデザインの語彙があります。

過去の装飾を眺めるためではなく、次のデザインを考えるために開くことのできる資料。


発送について

追跡可能な佐川急便(送料一律 660円)にて、丁寧に梱包し発送いたします。


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セール価格¥6,600
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