





池田三四郎 自筆草稿「安川慶一氏との交流」29枚半+『生涯求美』|松本民芸家具・民藝資料
松本民芸家具の創始者、池田三四郎による自筆草稿「安川慶一氏との交流」です。
戦後の松本における木工業の状況、松本民芸家具の歩み、そして木工家・民藝運動家である安川慶一との出会いと交流が、400字詰原稿用紙29枚半に記されています。
この原稿は、1990年に用美社から刊行された『生涯求美―安川慶一・蒐集と周辺』に収録された寄稿文の草稿です。刊行書籍と原稿を並べることで、完成原稿へ至るまでの加筆、訂正、書き直しを確認できます。
柳宗悦、濱田庄司ら民藝運動に連なる人物の名も現れます。思想としての民藝ではなく、土地の産業として木工を続けようとした池田三四郎の言葉が、刊行前の姿のまま残された資料です。
特徴
- 池田三四郎自筆草稿「安川慶一氏との交流」
- 400字詰原稿用紙29枚半
- 原稿右端に「『生涯求美』池田三四郎」の記載
- 紐綴じのまま残る原稿と旧蔵付箋
- 掲載書籍『生涯求美―安川慶一・蒐集と周辺』付き
- 本文照合により、刊行原稿と執筆過程を見比べられる構成
このアイテムが残す視点
民藝は、完成された工芸品だけで成り立っていたのではありません。
素材を見て、職人と話し、土地の産業をどう残すかを考えた人々の往復によって支えられていました。
この草稿には、刊行物では均された言葉の前にあった、池田三四郎自身の判断と修正の痕跡が残っています。
民藝を「美しい物」としてではなく、継承される仕事と関係の記録として読み直すための資料です。
素材・サイズ
原稿
400字詰原稿用紙 29枚半/紐綴じ
関連書籍
『生涯求美―安川慶一・蒐集と周辺』
用美社/1990年/181頁/布装・函入り
状態
原稿には、保管時の折れ、シワ、ヤケ、シミ、汚れ、端部の傷みがあります。本文には加筆、訂正、書き直しが見られます。
紐綴じ、旧蔵付箋は入手時の状態を保っています。
書籍は函にヤケ、スレ、汚れがあります。本体布装にも薄い汚れや経年変化があります。本文は通読に支障のある大きな傷みは確認できません。
原稿上の記載、旧蔵付箋、ならびに『生涯求美』掲載本文との照合をもとに、池田三四郎自筆草稿として取り扱っています。専門機関による筆跡鑑定は行っていません。
迎える理由
選定理由:
松本民芸家具の創始者が、民藝を現場の産業として実践した過程を、自身の言葉で残した資料であるため。
比較した視点:
署名本や限定本のような所有の希少性ではなく、刊行本文と照合できる自筆草稿としての記録性、関連人物の広がり、来歴のまとまりを見ました。
判断の結論:
池田三四郎、安川慶一、柳宗悦、濱田庄司へ連なる民藝史を、完成した書籍の外側から読むことのできる一点です。刊行物だけでは残らない、書き直しと迷いを含んだ一次資料として残します。
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