カート
カートが空です
1960年代から、新宿の盛り場を歩きながら「流しの写真屋」として人々を撮り続けた写真家・渡辺克巳。
『新宿群盗伝伝』には、歌舞伎町を中心とする歓楽街に集った若者、アウトロー、夜の街で働く人々など、当時の新宿を形づくった名もなき人々の姿が収められています。
被写体は観察される対象ではなく、自らの姿をカメラの前に差し出す存在として写されています。演技と日常、虚勢と素顔が入り交じるポートレートから浮かぶのは、都市の記録であると同時に、それぞれの人間が生きた時間です。
1973年刊行の『新宿群盗伝』に続く一冊。杉浦康平と鈴木一誌が装幀を手がけた、晩聲社「ヤゲンブラ選書」の一冊です。
・タイトル:新宿群盗伝伝・著者:渡辺克巳・装幀:杉浦康平、鈴木一誌・シリーズ:ヤゲンブラ選書・出版社:晩聲社・刊行年:1982年・版:初版・装丁:ソフトカバー・サイズ:約19 × 12 cm・ページ数:221ページ
中古品。
経年によるヤケ、シミ、汚れがあります。カバーにキズ、スレ、傷みが見られます。
刊行から年月を経た古書として、まずまずの状態です。状態の詳細は掲載画像をご確認ください。
選定理由:渡辺克巳が記録したのは、整えられた都市の風景ではなく、新宿の路上と歓楽街に生きた人々です。時代の周縁にいた人間の姿を、内側に近い距離から残した記録として選びました。
比較した視点:新宿を扱う写真集は多くありますが、本書の価値は街並みではなく、そこにいた人間を中心に据えている点にあります。都市資料、風俗史、ポートレート写真集という複数の視点から読むことができます。
判断の結論:戦後新宿の空気を、名もなき人々の表情から伝える一冊です。写真史だけでなく、都市文化の記録として残す価値があると判断しました。
街は建て替えられ、人は去ります。それでも写真の中には、その時代を生きた者の気配が残ります。
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