東松照明による写真集『日本 / Japan』。
1955年から1967年にかけて撮影された作品群を中心に構成され、戦後復興期の日本に残る都市、産業、農村、戦争、そしてアメリカの影を鋭く描き出した一冊です。
東松の写真には、記録を超えた批評性があります。
焼け跡の記憶を抱えたまま高度成長へ進む日本を、祝祭ではなく「違和感」として見つめ続けた視線。その緊張感が、本書全体に漂っています。
『<11時02分>NAGASAKI』『おお!新宿』『太陽の鉛筆』などと並び、1960年代東松照明の代表作として知られる、日本写真史上の重要作品集です。
特徴
・1967年 写研刊行のオリジナル版
・1955〜1967年に撮影された代表図版を収録
・都市、産業、農村、戦争、アメリカ文化など戦後日本を多層的に記録
・高い批評性と芸術性を併せ持つ東松照明の代表作
・『日本写真集史 1956-1986』収録作品
このアイテムが似合う暮らし
写真集としてだけでなく、戦後日本の空気そのものを保管するような一冊です。
モダニズム建築、民藝、戦後デザイン、前衛芸術などに関心のある空間に自然と馴染みます。
静かな棚に置かれているだけで、その場所の温度を少し変える力があります。
書誌情報
・ハードカバー
・サイズ:230 × 195 × 23mm
・出版社:写研
・刊行年:1967年
状態
ビニールカバー付き。
背カバーに若干のヨレがあります。
本体はその他概ね良好です。
迎える理由
選定理由:
日本の写真表現が、単なる記録から批評へ移行した時代を象徴する一冊であるため。
比較した視点:
同時代写真集の中でも、構成力、問題意識、後年への影響力を重視。
判断の結論:
東松照明を代表するだけでなく、戦後日本写真史そのものを語るうえで外せない作品集。
単なるヴィンテージ写真集ではなく、日本という存在を写真によって問い直した記録として、現在も強度を失っていません。