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カートが空です
近代数寄屋建築を確立し、日本建築の近代化に大きな役割を果たした建築家・吉田五十八。
本書は、生誕100年を記念して1993年に開催された展覧会「吉田五十八建築展―日本建築の近代化をめざして」の図録です。
住宅、料亭、劇場、美術館など、吉田五十八が手がけた建築作品を、竣工写真、平面図、立面図、断面図、スケッチなどの豊富な資料によって紹介しています。
完成した建築の姿だけでなく、伝統的な日本建築をどのように近代化し、現代の生活や用途へ接続したのか、その設計思想と方法を読み取ることができます。
前野堯、藤木忠善による論考のほか、多田美波、平山郁夫、三田政吉、吉田順三らによる回想、弟子や関係者による証言、年譜、文献目録なども収録。
吉田五十八の建築を、意匠、技術、思想、人間関係の複数の側面から検証できる展覧会図録です。
吉田五十八は、伝統的な数寄屋建築の構成や素材感を受け継ぎながら、鉄筋コンクリート造、近代的な設備、現代の生活様式を取り入れた建築家です。
本書では、建築写真だけでなく、設計図面やスケッチ、室内意匠の細部まで掲載されています。
柱、建具、天井、照明、庭との関係など、空間を成立させる要素を具体的に確認できる構成です。
主な収録内容は以下の通りです。
・直筆彩画・「新しい日本建築を求めて」前野堯・「合理主義と『新日本感覚』の融合―吉田五十八の仕事」藤木忠善・建築作品の図版、写真、設計図・多田美波、平山郁夫、三田政吉、吉田順三による回想・今里隆、寺井徹、野村加根夫による証言・吉田五十八年譜・収蔵作品図版リスト・文献目録、参考文献目録・「吉田五十八建築展に際して」福田徳樹
建築史の資料としてだけでなく、日本的な空間構成や数寄屋建築の現代化を考えるための資料としても有用です。
吉田五十八の仕事は、伝統を固定された形式として保存するのではなく、時代に合わせて組み替える試みでした。
数寄屋建築の繊細さや余白を保ちながら、新しい構造、設備、用途を取り入れる。その方法は、日本建築を過去の様式に留めず、現代へ接続するための設計でもあります。
本書に収録された写真や図面からは、建築の印象が意匠だけで成立するものではなく、柱の位置、建具の寸法、素材の選択、光の入り方といった細部の判断によって支えられていることが分かります。
・伝統は、形を守ることだけでは残らない・近代化とは、古いものを捨てることではなく、構造を読み替えることである・空間の質は、目立つ造形よりも細部の調整によって生まれる・建築は、思想、技術、生活の接点に成立する
・タイトル:吉田五十八建築展・編集:吉田五十八建築展実行委員会、東京藝術大学美術学部建築科・出版社:芸術研究振興財団・発行年:1993年・装丁:ソフトカバー・サイズ:約29.3 × 22cm・ページ数:155ページ
中古品。
表紙に少スレがあります。表紙右下付近に折れ跡が見られます。
角や縁に軽微な経年変化がありますが、本文は概ね良好です。図版や文章の閲覧に支障はありません。
状態の詳細は掲載写真をご確認ください。
選定理由:吉田五十八の建築を、完成写真だけでなく、図面、論考、証言、年譜まで含めて確認できる資料性を評価しました。
比較した視点:一般的な作品集と比較し、展覧会図録として建築作品と周辺資料が体系的に編集されている点を重視しています。
判断の結論:近代数寄屋建築を理解するうえで、作品の造形だけでなく、その成立過程と思想までたどることのできる一冊です。
伝統がどのように近代へ移され、更新されたのか。吉田五十八の仕事を通して、日本建築の連続性と変化を確認できる資料です。
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