見逃されていた銘品──Henning Koppel「Taverna」の小さな銅鍋
選品記録 / Georg Jensen – Taverna

小さな銅鍋を迎えました。デンマークを代表するデザイナー、Henning Koppel(ヘニング・コッペル)がジョージ・ジェンセンのために手掛けた「Taverna」シリーズです。
底には「HK」の刻印。しかし市場では、その名が見逃されて流れていた。どんなプロダクトにもデザイナーは存在しますが、ときに名前は忘れられ、気づかれないまま巡っていきます。
今回の鍋は、まさにそんな一品。見落とされた価値を拾い上げ、もう一度光を当てる――それも選品舎の営みです。
西洋では銅鍋は実用を超え、家族の資産として受け継がれてきました。Henning Koppel が手掛けたこの一品も、未来へと渡すにふさわしい存在です。
使うほどに色を変え、時間とともに深みを増す銅。実用品でありながら、空間の表情を整えるオブジェでもあります。

選ぶことは、ただ所有することではありません。残るものを見定め、記録し、次へ手渡すこと。選品舎はその記録を静かに重ねていきます。