
ポール・ケアホルム「PKシリーズ」とは何か──構造で選ばれる家具と、時間に耐える価値
ポール・ケアホルム「PKシリーズ」を“選ぶ理由”まで
本稿は、商品紹介に留まらず、デザイン背景・歴史的文脈・素材思想を手がかりに、PKシリーズの価値を「選品舎の基準」で整理する記録です。
ポール・ケアホルムとは何者か
北欧の温かさと機能主義の緊張感を同居させた設計
ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm, 1929–1980)は、20世紀デンマークを代表する家具デザイナー。 北欧家具が持つ生活の温度感に、バウハウス的な機能主義と構造の緊張感を重ねることで、 「住まいの道具」と「建築的オブジェ」の境界を押し広げました。
選品舎の基準で見る“選ぶ理由”
選品舎がPKに惹かれる理由は、装飾ではなく構造で美しさを成立させている点にあります。 触れた瞬間の軽さ、距離を取ったときの緊張感、素材の対比が、空間の空気を静かに変えます。
PKシリーズとは
製作背景(Fritz Hansen / E. Kold Christensen)
- デンマークの家具ブランド Fritz Hansen / E. Kold Christensen から製作
- 「PK+番号」で体系化されたシリーズ展開
- 素材:スチール・革・籐・大理石など、自然素材と工業素材の対比
素材思想(工業素材×自然素材)
PKシリーズは、スチールの精度と革・籐・石といった素材の揺らぎを同居させます。 その対比が、北欧的な“やさしさ”とは別種の、静かな強度を生みます。
代表作と特徴
PK22 ラウンジチェア(販売中)
PK22 ラウンジチェア(販売中)
ミニマルなスチールフレーム+革張り。軽快で現代空間にも合う。 “線の家具”として、視界を塞がずに存在感だけを残します。
PK61 ローテーブル
PK61 ローテーブル
大理石/スレート/ガラス天板を選べるモジュールデザイン。 天板の差し替えによって、同じ構造が別の表情を獲得します。
PK80 デイベッド
PK80 デイベッド
美術館展示のような存在感。シンプルながら象徴的。 生活の道具でありながら、空間の軸になる“長いオブジェ”です。
PK1 ダイニングチェア(販売中)
PK1 ダイニングチェア(販売中)
籐張りチェア。軽快なフレーム構造と自然素材の融合。 金属の精度の上に、手仕事のテクスチャが静かに乗ります。
コレクション価値(なぜ残るか)
希少性(1950〜70年代)
1950〜70年代製造品は現存数が少なく、オークションでも高値になりやすい傾向があります。
適応力(モダン〜和室)
PKは“温かい北欧”ではなく、“余白の北欧”として機能します。 線と面の構造が主張しすぎないため、モダン空間から和室まで合わせられる柔軟さがあります。
歴史的評価(美術館収蔵)
美術館収蔵(MoMAなど)によって、デザイン史上の評価が固定化されている点も価値を支えます。
選品舎で扱ったPKシリーズ
取扱アーカイブ
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時間=価値の増幅装置として読む
まとめ
PKは「建築的オブジェ」であり、時間に耐える構造である
PKシリーズは、単なる家具を超えた「建築的オブジェ」。 シンプルでありながら強烈な存在感を放ち、未来に受け継がれるデザインの象徴です。
選品舎の視点では、PKは“流行の強さ”ではなく、“構造の強さ”で残るもの。 触れた瞬間よりも、暮らしの中で時間が経つほどに、評価が静かに増していくタイプのプロダクトです。
この記事について
本記事は、選品舎/Helvetica を運営する大西健が執筆しています。
ヴィンテージ家具・古書の選品、販売、記録を通じて、
「残るもの/残らないもの」の判断基準を実務の中で整理しています。










