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記事: ロンドンの旅の途中で名作スツールと出会う。その価値とは──

ロンドンの旅の途中で名作スツールと出会う。その価値とは──

ロンドンの旅の途中で名作スツールと出会う。その価値とは──

ウェブに出る前に、価値は動く

通りすがりの店の片隅に置かれた名作スツール。クレジットも残らず、情報は表に出る前に流れていく。 仕入れの現実は「目利き」だけでは終わらない──輸送コストという、もう一つの判断軸がある。

これは買い付けノウハウの記事ではありません。
「価値はどこで決まり、どこで消えるのか」を、現場の空気として記録するための短いメモです。

£12000のスツールと、残らないクレジット

通りすがりの店の片隅に、名作スツールがひっそり置かれていた。
値段を聞くと、店主は「実は2脚あるよ」と言う。
1脚のプライスは £12000

「年々価格は上がってるから、わかるよ。その価値。」
そう伝えると、店主は苦笑いを返した。


価値ある物件は、ウェブに出る前に動く

価値ある物件というのは、たいていウェブに出る前に取引される。
このスツールも例外ではなく、クレジットさえ残されていない。

情報は表に出る前に流れていく。
それがこの世界の常だ。


「買い付けですか?」に、うまく答えられない理由

「買い付けですか?」と尋ねられることもあるけれど、
歩きながら両手を塞ぐような仕入れ方は、僕には向いていない。

もし本気でやるなら車を借りるだろうし、
何より、バイイングは日本国内の方が圧倒的に面白いと感じている。


価値の源泉は、案外身近にある

近所のセカンドハンドに熱心な外国人が来ていたし、
業者専門の骨董市にもトラベラーを見かける。
価値の源泉は、案外身近にある。

ただし、出どころを追うには時間も予算もかかる。
邪念が混じれば偽物も紛れ込む。
そういう世界だ。

値札より先に、搬出の段取りや“誰が触ってきたか”で価値が決まる場面もある。


輸送コストという、もう一つの現実

最近考えているのは、海外オークションからの輸送コストの見直しだ。

中間に誰かが入るだけで、人件費が“ギャグみたいな額”になる。
ただ商品をピックアップして送るだけなのに、初任給ほどの対価を求められることもある。
その価値に、もう未来はないと思う。

だから今は断固拒否。
それでも、オークションから作品をレスキューする価値は(今は)十分にある。
そこだけは諦めたくない。

自分で動く選択肢もあるけれど、正直疲れる。
使うのは頭と身銭だけで十分だ。

ヨーロッパもアメリカも、業者を通せば今でも買える。
在留者に頼む手もある。
けれど費用は跳ね上がる。

片手間でやっている僕は、プロの方々へは“なんとなく遠慮していた”。
意味は曖昧でも、それが自分のルールだった。

でも最近は「自分で決めるほうが気持ちがいい」と気づいた。
悪いことも、自分の責任として引き受けたほうが早い。


いま押さえておきたい流れ

この三つは今後しばらく注視したい。

  • アメリカのオークションハウス
  • 日本国内の流通
  • そしてデンマーク

国が違っても、人間の思考は案外似通っている。
押さえるべき思考と、流されていい流れがある。

どうでもいい流行だけ、適度に乗ればいい。


結び

価値は、情報として整ってから動くのではない。
その前に、すでに手から手へ渡っていく。
だから最後に残るのは、“どう運ぶか”という現実だ。

お直し屋さんの話は、また次回。



この記事について

本記事は、選品舎/Helvetica を運営する大西健が執筆しています。
ヴィンテージ家具・古書の選品、販売、記録を通じて、
「残るもの/残らないもの」の判断基準を実務の中で整理しています。


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