
家具の価値は“時間”で育つ:ヴィンテージを選ぶ理由と静かな資産という考え方
その椅子は、静かに時を編んでいく

ある椅子が、ひとつの暮らしを育てていく。
静かに、確かに、時を経て──その価値を増していくことがあります。
ヴィンテージ家具と聞いて、あなたはどんな印象を持つだろうか。
ただ古いだけのもの?
それとも、美しさと強さを兼ね備えた“時間の結晶”だろうか。
私たちが向き合っているのは、時間に磨かれた静かな資産です。
「家具は使うもの」ではなく「育てるもの」
かつて、家具は消耗品と考えられていた。
けれどいまは違います。
無垢の木や真鍮のように経年変化を楽しめる素材。
建築家の思想が宿る椅子。
一見、無口だけれど、語りかけてくるようなデザイン。
そうした家具は、10年、20年と寄り添ううちに、
確かに価値を育てていく──「静かな資産」となる。
記憶が宿る実例──クラマタ、ギャルソン、ウェグナー
あるとき私たちが扱ったパーテーションは、
コム・デ・ギャルソン本社で実際に使われていたものだった。
当時としては考えられない評価でお求めいただき、
“使われていた背景そのもの” が価値になっていた。
インテリアデザイナー・倉俣史朗のプロダクト、
ハンス・J・ウェグナーのYチェアなども、
新品を超える価値を持ち、世界のコレクションに並ぶことがある。
それらは単なる道具ではなく、
文化を携えたプロダクトとして、
時間とともに「語り継がれる資産」となったのだ。

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価格では測れない価値がある
福岡のホテルで、北欧の椅子をお渡しした日のことを覚えています。
お客様が遠方から足を運んでくださり、
私たちは客室に椅子を運び入れた。

その場でご覧いただき、お求めいただいた後、
数日後に手紙が届いた。
「これからの暮らしが楽しみになりました。」
椅子がひとつ、誰かの未来をそっと明るくする。
それが、ヴィンテージ家具の持つもうひとつの価値です。
感性を育てる資産形成へ
資産と聞けば、不動産や金融商品を思い浮かべるかもしれない。
けれど、心が動くモノに囲まれ、
日々の暮らしに喜びを持てることも、
“人生の資産形成” と呼べるのではないだろうか。

ヴィンテージ家具は価値がゼロになることがほとんどない。
むしろ、使い手の記憶や時間をまといながら、
静かに価値を深めていく。
あなたの「選び」が、これからの価値になる
すぐに売れるかどうかではなく、
10年後に「選んでよかった」と思える家具を選ぶこと。
それが、いまを丁寧に生きるための静かな決意であり、
選品舎という名前に込めた願いです。










